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たまにエンジン掛からず 日産セドリック HY-33 VQ30DET

平成9年、日産セドリック、VQ30DET、3000ccのV6ターボ車
症状⇒たまにエンジンが掛からない(1〜2ヶ月に1回あるかないか)。そのまま20分くらい放置して再度掛け直すとエンジン始動できる。
以前違うところで診て貰ったが、まだ症状が発生してしまうので心配との事。そこで弊社に依頼が入りました。残念ながら過去の具体的修理内容は不明です。

”たまに”、しかも、”1ヶ月に1回あるかないか”という症状は、再現性が殆ど無いので修理屋泣かせである。が、順を追って見極めていきたい。案の定、症状は全く再現されないどころか、一発始動で快調だ。

では早速作業開始します
・基本点検はOK
・次にエンジン自己診断開始します、自己診断の結果、
34:ノックセンサ
47:POSセンサ(クランク角センサ)
が検出されました。
「ノックセンサ」とは、エンジンのノッキングを検出して、点火時期を変更・補正する部品です。
「POSセンサ」とは、クランク角度(1℃信号)を検出して、点火タイミング設定やエンジン回転速度算出用の重要部品です。通称クランク角センサです。通常の車ですとクランク角センサは1種類ですが、このVQ30エンジンの場合、磁気式クランク角センサを採用してる為、「REFセンサ」「POSセンサ」「FHASEセンサ」の3種類のクランク角センサを使い、点火時期制御の精度向上等を図っています。
今までの経験上、こういう症状の原因としてクランク角センサ不良が大多数ですが、ここで一旦データを消して、症状が再現されるのを待ちます(呼び出されたデータを消すのは、現在の症状と一致するとは限らない為)。症状再現されて自己診断で呼び出されれば確かな証拠になります。

やはり症状は一向に再現されませんが、何度自己診断行ってもノックセンサだけが再検出されます。今回の症状とノックセンサは別系統の故障内容ですので、本来の原因追求します。

ですが、相変わらず症状が全く再現されないので最初の自己診断で検出された一番疑わしいクランク角(POS)センサを点検してみます。

クランク角(POS)センサ交換
↑これがクランク角(POS)センサです。単体点検及び電源点検しましたがいずれも正常です。振動与えても変化無しです。温める等の温度変化をさせると抵抗変化ありますが、症状再現に至りません。
この車に限らずクランク角センサ不良の場合、内部抵抗・電源等の突発的な断線・短絡不具合である為、再現性も乏しく、点検しても正常の事が多い為、自己診断で検出されたデータを元に部品交換するケースが殆どです。某ディーラー時代も同じでした。
今回の症状とクランク角センサ不良による症例が一致するのですが、確かな証拠・症状が再現されない為、今までの経緯と自己診断結果からクランク角センサを交換する旨をお客様に伝え交換致しました。ノックセンサについては、症状と結びつくのは考えにくいですが、自己診断異常検出の旨を伝え交換しました。

ノックセンサ交換
↑ノックセンサ交換。V型エンジンなのでインテークマニホールド外します


まとめ・・・私が一番捉えたかったのは、症状再現時にクランク角(POS)センサが検出されるかどうか&センサ出力と単体抵抗でしたが、症状が全く再現されず現在正常の為、すべてが正常範囲。
結果的に確実な証拠・症状が再現されないまま自己診断内容で部品交換となり、私的には煮え切らない内容でした。もしかしたら違う原因かもしれません。が、自己診断履歴にクランク角センサが検出され且つクランク角センサが悪くなるとこういう症状になる事を判っていながら交換しないのは整備士失格です。安全面を考慮した結果の作業とご理解頂きたい。

アフターとして、定期的な「症状発生しましたか?」のお伺いは続けていきます。