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ここではオーバーヒートの見極め方法です。クーラント(LLC)が漏れていれば簡単に発見できますよね、漏れ箇所を直せば良いのです。しかし、クーラントが入ってる・漏れてない・電動ファンも回っている・のにオーバーヒートするのは判断が難しいですよね。単純にラジエターキャップやサーモスタット(部品も安いし、壊れやすいので安易に疑いやすい箇所)だろうと判断せずにしっかり見極めます。
よく壊れる代表的な部品/役割

・サーモスタット=冷えてる時は閉じてます、規定値温度に達すると開いてLLCを循環させる部品です。水温計の針が真ん中を示すのはサーモスタットのおかげです。
壊れて開かなくなるとLLCが循環せずオーバーヒートします。この時の水温計はMAX状態です。
逆に開きっぱなしの場合は、水温計がほとんど上がりません。また、アイドリング状態では水温計が半分まで上がるのに、走ると水温計が下がる場合あります。

・ウォーターポンプ=読んで字の如し、LLCを循環させるポンプです。タイミングベルトやファンベルトで駆動します。左写真が表側、右写真が裏側です。表側の丸いプーリー部分がタイミングベルトで回ります。裏側のインペラ(羽)が回転してLLCを循環させます。これが悪くなるとオーバーヒート又はタイミングベルトが切れます。
では、クーラントは漏れていないがオーバーヒートする場合の見極め方法です。では始めます。

@まず「ラジタンク」をセットします(↑画像参照)。クーラントも少し足します(冷却装置全体より、ラジタンクの水面が一番高くなるように)。ラジタンクを使わないとクーラントがジャバジャバこぼれるだけでなく、クーラントの流動や気泡を見ることが出来ないので、的確な原因追求ができません。ちなみに既製品のラジタンクが売ってますが、私のような手作りでもイケマス。
AヒーターをHOT(一番熱い温度設定)・風量maxにして、エンジンスタートします。しばらくエンジン掛けっぱなしにして症状を確認します。
最初の確認1=電動ファンは水温計のどの位置で回ってるかチェック&ヒーターは熱い風が出るかチェック。
確認2=次に約2,000回転でレーシング(回転維持)してラジタンク内のクーラントの流動、吹きっ返し又は気泡あり・なしをチェックします(ラジタンク内のクーラントの流動は非常に大事な点検項目です)
以上を踏まえて症状内容から原因を判断します
電動ファンが回らない場合=水温計もHOTmax状態です。電動ファン系統調べます。現在のクルマでは考えにくいですが、一昔前は電動ファンスイッチがよく壊れたりしました。
オーバーヒートしても電動ファン回っている、又はFR車のように最初からファンが回っている場合
だいたいがこの症状で試行錯誤すると思いますが
@軽くアクセル踏んだ時にラジタンク水面が少しでも下がらない場合=ウォーターポンプ異常。ウォーターポンプはクーラントを循環させる部品なので、少しアクセル踏んで回転を上げた時に流動速度が速くなるので水面が下がる。
Aレーシング(約2000回転維持)中、もしくはアイドリング中、水面が異常に上昇してきた=ウォーターポンプor詰まりorヘッドガスケット抜けの恐れ有り。ウォーターポンプに関しては前記同様、クーラントの流動がないので沸騰したクーラントが吹き出てくる。詰まる箇所はラジエターもしくはサーモスタットです、詰まりも同様で沸騰したクーラントが吹き出てきます。サーモスタットは規定温度になると開くので外して点検します。ラジエターに関しては、アッパーホースとロアホースを外し、アッパーホース側から水道水(ホースで)を勢いよく入れて、ロア側から同じ勢いで水が出るかチェックします。明らかに水の出が悪いのは詰まってる証拠です。ヘッドガスケットに関しては次項目参照下さい。

@ラジタンク内に吹きっ返しがある(ボコッボコッ)。すごくひどい吹きっ返しの時も有ります。エンジンスタート時やエンジンオフ時にも吹きっ返しがある場合もあります。吹きっ返しがあるという事は、エンジンの圧縮圧力が冷却系統に漏れてる(逃げる)からです。

↑ラジタンク内の吹きっ返し&気泡↑
Aラジタンク内に気泡が断続的に出てくる(炭酸飲料のようにジュワーって感じで)。これも上記と同じで、エンジンの圧縮圧力が微量ながら冷却系等に漏れている(逃げる)証拠です。
B水温計が半分以上で電動ファンが回る(いわゆるオーバーヒート気味)。上記@Aと合わせて発生するケースが多いです。漏れる(逃げる)爆発の空気温度が非常に高すぎる為、冷却が追いつかず、水温が上がり気味で電動ファンが回ります。サーモスタットも開きっぱなしです。
Cもしくはラジエターキャップテスターをクーラント注入口に取り付けて圧力を掛け、一晩くらい放置します。シリンダー内にクーラントが入っていればヘッドガスケットが抜けている証拠です。

↑クーラントの燃えカスが付着したプラグ↑
Dヘッドガスケットが抜けていればクーラントも燃えてしまうのでプラグの焼け具合(色)も違います。
シリンダヘッド降ろしてからの点検
・ヘッド及びブロックの歪みをストレートエッジを使って点検します。主に歪む箇所は、各気筒間・ウォータージャケット周辺。
・ヘッドガスケットが抜けていてば、エンジンブロック各気筒内部を見ると、縦線のキズが付いてます。これはクーラント混入で油膜低下した為にピストン上下運動のキズが付きます。
ヘッドガスケット抜けの判断は経験が必要ですので難しいかもしれません。私の経験ですとB+@orAなら90%以上抜けてます。多少の”抜け”ならA、重度の”抜け”なら@。CDは最終的な判断事項です。
(注)ヘッドガスケットが抜けた場合は、シリンダヘッドが歪んでる場合あります。ヘッド面研する場合もあるので高額修理です。ディーゼル車でオーバーヒートしたまま乗り続けると、間違いなくヘッドガスケット抜けます(ガソリン車より圧縮圧力が大きい為です)。

↑参考:シリンダヘッド及びヘッドガスケットです↑軽自動車のシリンダヘッドは小さくてかわいいですね。
まとめ・・・オーバーヒートの原因は多数ありますのが、いずれも車が古くなってくると起こる現象です。車のメカニズムが発達しても冷却系統は昔から変わらず単純構造です。いずれの原因も安い修理ではありません。
自分で出来るチェック
・サブタンクのクーラント量チェック・・・多少は減りますが、サブタンクが空になってるのは異常です。漏れの可能性あります。
・エンジンが冷えている時、ラジエターキャップ外してクーラントの汚れ具合チェックしてみましょう。新車のトヨタ・ダイハツ系は赤色、その他メーカーは緑色が入ってると思います。
・たまにはクルマの下を覗いてみましょう。オイル漏れ等も発見できる場合あります。
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